石油流通ビジネス最前線  「変わるビジネス 変わるシステム」

第四回 「新仕切体系」への具体的なシステム対応


特約店における課題

「新仕切り体系」によって、「石油ビジネスが変わります」、それに伴い「石油流通管理システム」の仕様も変わります。「新仕切り体系」に関しては色々な見解や意見もあるわけですが、端的にいえば、元売りから特約店に対するあらたな「値決めルール」ということになります。同時に特約店にとってはさらに系列下の販売店に向けての「値決めルール」ともなるわけです。今後は、元売りからの卸価格は「先物市場」や「業転市場」などのマーケットの動きも視野に入れ、現実の市場流通を鑑みながら細かく決定されることになります。現実の問題として、石油流通最前線では二次卸となる特約店から販売店への卸売りなどでは、さらに多様な条件に対応して仕切り価格も個別的、複合的条件に合わせて複雑に変えなくてはなりません。したがって「価格決定条件」については今まで以上に煩雑な設定作業を伴うことになります。 ここでは、「新仕切り体系」によって、現在、石油流通最前線で実際に発生している業務課題について、主に特約店レベルでの直売システムによる卸売業務と直売部門業務をテーマに具体的な対応事例をご紹介します。


経営ポジションによって異なる「視点と課題」

一概に石油流通ビジネスといっても経営ポジションによって、「新仕切り体系」に関する受け止め方は異なります。特約店ビジネスでは「仕入れ流通」があれば、当然「卸販売流通」の両方があります。「新仕切り体系」は、特約店レベルでは売りと買いに関する両方の「単価設定ルール」が存在します。実際には元売りや商社などから特約店が仕入れる一次卸価格(仕入れ価格)、さらに特約店からリテールの販売店(サブ店)への二次卸価格(販売価格)の両方が存在しているわけです。石油流通企業の数は多数存在しています。現実的にはそれぞれの系列や経営状況、スタンス。さらには商習慣のルールや取引条件の組み合わせなどにより現場での価格体系は無数に存在しており、それらの条件が複合的に組み合わされ、現実の「仕切り価格」が決定されることになります。
販売店(サブ店)の立場では、「仕入れ流通単価」としての価格情報取得が中心であり、ほとんどシステム的な対応の必要がありませんから、必然的に特約店と販売店(サブ店)では「新仕切り体系」に関する視点や対応も異なることになります。同じ石油流通企業であってもそれぞれ経営ポジションや立場によって必要となる経営情報は異なるはずです。「新仕切り体系」については、経営者として課題となる情報の本質を見極める必要があると思いますので改めてご説明をさせていただきます。


「新仕切り体系」で注目されるシステム機能
【最新の石油専用流通管理システムの概要】 

現在、最先端の石油流通企業の現場最前線で運用されている「新仕切り体系」対応版の最新直売システムの内容について、その「単価マスターリスト」の価格設定機能は従来のSS運営システムの単価マスターリストとは全く次元が異なり「仕入」と「販売」の複雑な価格設定条件を同時に一元的に処理できる高度な機能を保有しており、従来の石油業界用システムとは全く仕様が異なります。

1.「仕入」、「販売」両方の流通課題を一気に解決する高機能な「単価マスターリスト」

①.「仕入れ単価」と「販売単価」の両方の流通処理に同時対応しています。
②.過去の流通データに関する「遡り単価修正」機能。
③.事前の単価登録で「未来の単価登録」、「一定期間の単価設定」
④.「仕入」、「販売」の両方の流通に関して、特定の取引先別に納入配送先別、油種別に単価適用開始日、適用終了日等の条件を指定して、流通データを検索して「単価設定」が可能。
⑤.「届け・倉取り」などの流通区分別の「単価設定」
⑥.一度の納入数量別に細分化した「単価設定」での対応(小口納入別単価などの価格対応)
など、多様な「仕切り体系条件」に即して複雑な単価設定も、一度の設定だけで複合的に処理することができる高度な機能を搭載しています。


2.エクセル等の「見積書データ」を「読み込み」機能で仕切り単価の自動設定

「週決め」、「日決め」など、細かく変化する「仕切り単価」情報をいかに正確に受けたり、告知したりしながら、しかもデータとして正確に反映させるには、通常システムでは非常に複雑で時間のかかる作業を伴います。そこで、販売店や直売ユーザー向けに作成したエクセルシートにより作成された「見積書データ」などを、単価や期間設定などの条件までシステムの「単価マスタ」の「読み込み機能」で自動読み込みすることで、そのまま「請求書作成」に反映させることで単価データの再入力作業を不要とする機能を搭載しており、単価設定ミスなども完全に防止することができます。

①.煩雑な単価設定作業を省力化して、さらにミスを完全に防止します。
②.油種別ボリュームインセンティブなどの条件による単価設定にも対応
③.納入に関する小口数量単位の単価条件設定が可能
④.「出荷施設別」や「納入施設先別」の個別的な単価設定
⑤.「入荷枠」、「出荷枠」それぞれのボリューム変動に対応する単価設定
⑥.多品目、同一品目、複数荷姿の「工業用潤滑油見積書」の専用単価設定と請求反映
など、複雑に変化する「新仕切り体系」や各種流通条件にともなう「単価マスタ設定」を簡単かつスピーディーに設定処理します。


3.油種別仕入・販売計画に基づく「数量枠管理」

石油流通ビジネスの時代的背景を前提に、最新版石油流通システムでは、すでに「商品市場」での製品調達や、複数仕入先からの商品仕入れなども想定されており、系列、系列外、市場などからの全社的な油種別「仕入れ計画数量枠」の立案や「油種別販売数量枠」や単価管理機能なども、すでに当たり前の仕様として装備しており、中間的な卸売や物流を伴うジョバー系業者などに必須の最新機能を搭載。系列システムとは一線を画す、大手商社の流通やジョバー、インディペンデント(独立)系企業の基幹システムとしての運用が開始されています。

①.全社、または営業担当者別の「粗利益計画」と連動する「油種別仕入・販売数量」の枠管理
②.全社的に油種別「仕入平均単価」と油種別「販売平均単価」等をリアルタイムに把握できます。
③.複数仕入先が存在することを前提に、それぞれの系列別の数量インセンティブの設定にも対応
④.油種別、担当者別、取引先別、営業所別などの「粗利益実績」についてリアルタイムな把握。
⑤.傘下の販売店を管理する特約店業務の流通管理は、規模は異なりますが「仕切単価管理」と「油種別数量枠管理」について、元売りと同様の流通管理機能が要求されます。


4.物流コスト管理(運賃等)の自動演算

「商品市場での物流仕入れ調達」や「複数仕入先からの仕入れ調達」を前提に、新価格体系に基づく流通経費について、系列ごとに異なる流通経費を個々に管理できるシステム機能も求められています。
物流コストをそのまま、仕入原価にリアルタイムに直接反映、コストの集計、分析は多様な角度から可能です。運送会社別、出荷基地別、油種別、季節商品などの季節運賃設定機能まで装備。

①.流通区分別 (届け・倉取り)
②.売上配送先別流通コスト (傭車・自社)
③.運送会社別 (傭車企業別)
④.出荷基地別 (出荷施設別・)
⑤.物流コストは「仕入れ原価」に直接連動し、「粗利益計算」の原価としてリアルタイムに演算。


5.基幹業務統合系(ERP)流通データベース

石油流通業界のシステムだけでなく、すでに世の中は「オフコン」の時代からオープン系システムへと大きな変革の時期に入っています。それに伴い、過去大手特約店などに存在していた「電算室」と呼ばれる固定的に大きな維持経費がかかる部門はほとんど姿を消し、サーバーによるPCネットワーク構築が時代の主流となっています。一般的な中小特約店企業でも安い予算で高機能な石油流通専用ERPソリューションの導入が可能な時代となってきました。昔のように膨大な経費をかけての自社開発よりも業務専用ソリューションシステムが整備され、それらを運用することで開発経費とリスクや時間、さらにはメンテナンス経費までも軽減できる時代です。過去においては莫大な導入経費がかかった基幹業務統合系ERPシステムなども、急速に価格が安くなり、今後急速に普及するはずです。


今後のシステム展望

新仕切り体系」にともなう、流通管理システムの対応については、系列ごとに未だ流動的な部分もあることから、さらに機能が見直され追加されることになるはずです。今後はシステムが石油流通ビジネスの盛衰を決することになるはずです。
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