石油流通ビジネス最前線  「変わるビジネス 変わるシステム」

第八回 軽油税が「普通税」に・・・システムによる自動化で「軽油税業務を収益化する」手法を公開!


「軽油引取税・納税申告帳票」の書式が変更されます。
既にご承知のとおり、地方税である軽油税は本年四月以降、目的税から「普通税」に変わりました。
それに伴い各都道府県別の軽油引取税に関する「納税申告帳票」の様式も全面的に変更されます。
「不正軽油」の流通防止対策等もあり軽油税特別徴収義務者(以下、特徴業者)に課せられている「軽油引取税納税申告書」の帳票作成業務はさらに煩雑で面倒な頭の痛い作業となりそうです。
しかし、特徴義務者にとって、1%の欠減補助と納税金額の3%近い還付手数料収入は貴重な既得収益源ともなっています。
軽油ビジネスには石油流通業者なら当然誰でも知っておくべき基本的知識がいくつかあるわけですが、特約店(未課税軽油)と販売店(課税済み軽油)の軽油流通と税制の垣根などについては意外と意識が薄いように感ずる時もあります。
特徴業者にとって軽油ビジネスはシステム化により「納税帳票作成業務」を完全に自動化することで、さらに妙味あるものになります。
今回は、石油流通ビジネスの真髄である、軽油ビジネスと「納税申告帳票作成業務」の完全省力化、さらには軽油税納税管理システム「D-TAX」に関してもあらためて説明します。
「軽油引取税納税帳票」の申告帳票変更対応については六ヵ月間の猶予がありますが、所轄する全国の都道府県別に取り扱いが若干異なるケースもありますから予めの準備と確認作業も必要となるはずです。
軽油税納税に関して、ご不明な点やご相談がございましたら、当社「ゆきんこサポートセンター」で承り中です。お気軽にお申し付けください。


【軽油引取税と特別徴収義務者の特典、さらに販売店との格差について】

すでにご承知の事と思いますが、石油流通ビジネスの実務として軽油税に関する、いくつかの重要な制度やポイントを知っているのと、知らない場合では石油ビジネスの命運そのものが大きく変わります。
一般販売店(サブ店)と比較して特徴業者(特約店)は軽油ビジネスではかなり有利な特典を持っています。その内容に関しても改めて認識しておく必要があります。

特典1.『納税還付手数料収入』
特別徴収義務者(特約店)には軽油税納税金額の4%弱(欠減還付1%、手数料還付3%)の金額が納税手数料収入として還付されます。
ですから仮に軽油を仕入れ原価で商流販売したとしても、収益ビジネスとして充分に成立するわけです。(還付手数料は、都道府県別に若干異なる場合があります。)
軽油の流通量が多いフリート系や商社系の流通現場では、これらの「収入」を既に織り込んだ上での軽油ビジネスとなっています。

特典2.『不良債権発生時の還付』
特徴業者が軽油を販売して不良債権化した場合、原則的に納税済みの軽油税金額分だけは所轄官庁に還付請求できるという特典があります。
昨今の大不況下で不良債権発生の可能性が高い時節ではまことにありがたい制度です。(還付請求の帳票仕様や条件は都道府県別に異なる事もあります。)
この制度については、都道府県別に条件や詳細な事項に関する条件などもありますから事前に事前確認しておく方が賢明でしょう。

特典3.『軽油税徴収猶予申告』
特徴業者が販売する軽油に関して、売掛債権の回収時期が「未課税軽油」の仕入れ支払決済サイドを超える場合、「軽油税徴収猶予申告」をすることで納税時期のタイミングを遅らせることができます。
「軽油税徴収猶予申告」は軽油の大口取引などで決済条件が長い場合などで、資金的なカブリが発生し運転資金がタイトになりやすいわけですが、この制度を利用することで資金繰りには有利な制度となります。
現下のような不況で運転資金がタイトになりやすい状況ですから絶対に覚えておく必要があるでしょう。

以上のように。軽油ビジネスは特約店(特別徴収義務者)と販売店(サブ店)では、収益的にも、制度的にもそして販売リスク面や資金繰りの面からも大きな格差があるということになります。
特別徴収義務者企業と販売店企業がリテールマーケットで軽油に関して販売価格や取引条件を競う事もあるわけですが、販売業者としては、前提となる基本的な「格差」が存在します。
さらに、特約店における卸売部門では傘下の販売店に対して課税済み軽油を販売した場合でも、納税還付金と1%の欠減は特約店(特徴義務者)に還付保障されるという優位性があります。
このように軽油ビジネスでは特約店と販売店の立場で明確な格差があるという事を知っておく必要があります。


問題となりやすい、「課税済み軽油」の取り扱い

最近は、特徴業者(特約店業者)であっても、系列外の複数仕入れ先から軽油を仕入れるケースがあります。
その場合には、前提として「課税済み軽油」を仕入れるということになります。現在、不正軽油の流通は課税済み軽油としての取り扱いが多いため、所轄官庁からほとんどの場合、課税済み軽油に関する「流通経路図」の作成提出を求められるはずです。
残念ながらこの部分だけは唯一システム化が不可能な分野となっています。業界に精通していらっしゃる方にはご理解いただけるはずです。
「不正軽油流通防止」のポイントも実はここにあるわけなのですが、この点に関しては、地方の税収が大幅に減少している昨今の状況下ですから、今後は所轄官庁からかなり厳しい追跡調査が行われることになるはずです。
したがって正確な流通経路図作成のためには仕入れ先からの流通経路を確認しておく必要があります。
さらに、未課税軽油の業者間転売については、販売先から「さらにその先」の販売先などが発生しているケースもありますから厳正な対応が必要です。


問われる「軽油税課税済み証明書」の発行管理

課税済み業転軽油の取引が活発化しているおりから、「特徴業者」が発行する「課税済み証明書」については、優良業者が知らぬ間に「不正軽油」の流通などに関与してしまい脱税徴収対象となってしまう事など、最悪のケースを防止する観点からも、その発行については厳正に管理しなければなりません。
一部管理がルーズな特徴業者などでは、営業担当レベルや支店レベルで簡単な「課税済証明書」を手書きで発行しているケースなどもあるわけですが、その「課税済み証明書」が悪用された場合、まさに企業としてのコンプライアンスが問われてしまいます。
最近では販売店レベルであっても所轄官庁から流通経路に関する同様の資料の提出を求められるケースも増えてきました。
煩雑な作業ですが、税収を管理する所轄官庁だけでなく業界全体としても「不正軽油」の流通は大きな損失となるわけですから、今後さらに厳正な対応を求められることになります。
流通管理システムが装備されている特徴業者企業では、流通データをもとに「仕入れ先別」、「販売先別」に自由な期間集計を実行し、それぞれの特徴業者別「課税済み証明」の印刷フォームで瞬時にプリントアウトを行います。
最新システムでは、直売、卸売部門の請求書作成と同時に取引先別「軽油課税済み証明書」が発行できる機能を搭載していますから、発行業務自体も完全に省力化されています。


軽油引取税「納税申告帳票の作成業務」の課題

このように、特徴業者には流通数量の多少にかかわらず、流通管理と納税帳票作成の義務が発生します。
取扱数量にかかわらずその基本的な帳票作成作業はほとんど変わりません。
したがって軽油の販売ボリュームがSS店頭のみで取り扱い数量が少ない特徴義務者などの場合は毎月の納税帳票作成業務は面倒で負担の多い作業ともなっているはずです。
ほとんどの企業において特定の人間に専業化されており、社内では日の当らない地味な業務なのですが担当者が退社したりすると業務継承に支障をきたすケースなども多く発生しています。
また、ある程度の軽油流通ボリュームを保有していながら、「納税帳票作成」が煩雑で対応不能なため、サブ店の立場で軽油を販売しているというもったいない業者の方にも何度か相談を受けたことがあります。
石油流通ビジネスはSS店頭流通だけでなく、直売部門の商流による「直送販売」、インタンク再配送や「パトロール給油」などの外販流通も多くなります。
それに伴う流通処理、そして軽油税納税帳票作成作業までを平準化し特徴義務者としての特典をフル活用することで、初めてビジネスに大きな妙味が生まれてくるわけです。


「納税申告帳票の作成システム化」によって変わる石油流通ビジネス

現在の石油業界では、SS(ガソリンスタンド)運営の店頭販売オペレーションを中心とする単純なリテール販売業者に目がいきがちですが、実態は「卸売り」や「直売部門」、特に外販配送など経営規模や業態により多様な流通体系に対応する特徴業者による流通が中心です。
特徴業者はほとんどが「特約店」企業なのです。
それでは、具体的にどのようにしたら「軽油引取税納税帳票」作成業務の省力化が実現できるでしょう。その手法について、「D-TAX」という軽油税納税管理システムを事例として説明します。


軽油税納税帳票作成の具体的対応について

1.最新の石油流通ソリューション「流通データを経営資源として再活用」
最新の石油流通専用の基幹業務統合系(ERP)ソリューションを駆使する場合には、軽油税申告帳票を作成するために改めてデータ作成や、抽出、集計などの作業は一切不要です。
既存の流通データを経営資源として再活用し、そのまま軽油税納税帳票を自動作成するプログラムが内蔵されています。
月末には単に必要となる「納税帳票」の各帳票番号のメニューを選択して「プリント(印刷)処理」を指定するだけで、A4の白紙用紙にレーザープリンターでそのまま一気に印刷し作業は終了します。所轄官庁から提供される三枚複写の専用帳票も不要となります。
SS店頭での軽油払出販売については「その他の自動車の保有者」としての売り上げ払出の集計データでOKですから、SSの払出集計データを計算センターや自社コンから読み込むだけ。
至ってシンプルで時間もかからない、誰でもいつでも可能な平準化された作業となります。

2.「既存システムの流通データを活用した」帳票作成の手法
直売部門専用システムなどを持たず、元売系計算センターや自社コンピューターシステムにより請求処理を行っているケースでは、既存システムから軽油に関する流通データを絞り込んで、「D-TAX」にデータをコンバートして帳票印刷を実行します。
後方システムの軽油流通データを「D-TAX」で読込、帳票作成のために不足する情報だけを「入力」する。
いずれの手法でも、所轄納税官庁が指定する様式で、そのままレーザープリンターによる帳票印刷が可能です。
「D-TAX」は、既に「普通税」変更後の新仕様に対応を完了しています。


税制変更に伴い、求められる迅速な対応

この原稿を書いている間にも、石油税制に伴うニュースが飛び込んできました。
今回の衆議院総選挙で民主党が政権を取得した場合、揮発油暫定税率を撤廃するという話題です。
昨年度においても暫定税率税制による混乱が発生したわけですが、今後の推移に注目です。
本当に平成22年度より再び暫定税率が撤廃されるとしたら、「軽油税」はどうなるか、石油業界にとって大きな影響が出てくるはずですから、注目です。
当社は「軽油税システム」に関して、経験豊富なプロフェッショナルスタッフがそろっており、今回の「普通税」への移行、そして、今後発生するであろう暫定税率や税制変更に速やかに対応するため、すでに変化に備えて即時対応のスクランブル体制を敷いています。
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