石油流通~その先の未来へ  「お客様の喜びが我が喜び」

第8回 実践、「灯油配送を起点とする外販ビジネス展開」 ~その2


 SSにおける店頭販売オペレーションは、これまで「車」をキーとするビジネスモデルが中心に展開されてきたという経緯があります。「車」と「石油」は切り離せない関係にあったわけですが、今後はエコカーの普及により自動車用エネルギーが変わりますからガソリンの減販は避けられないはずです。
 今後、「ガソリンスタンド」という業態そのものが一体どんな風に変わっていくのか、業界人であればだれでもその推移に興味を持っているはずです。
 一方、ホームエネルギー部門は元売によるソーラーエネルギービジネス展開の方向性などをみても新たな需要を生み出しつつ新たに形を変ながらここ数年で大きく変化していくはずです。
 前号では、「次世代ホームエネルギー」に向けての灯油配送ビジネスの位置づけと可能性について考えました。今月からは、ITシステムを駆使した「儲かる灯油ビジネス」の展開から次世代にむけた具体的な拡販手法を段階的に説明いたします。


1.「灯油配送」高収益ビジネス成功への起点と道筋

 「灯油」はほとんどのSSで販売されています。しかし、灯油販売に関する認識と位置づけは実に様々です。ここ数年、本格的に「灯油配送」に熱心に取り組んできた企業では昨シーズンにおける予想外の大きな収益効果により「決算が組めた」と改めて再評価しネットワーク拡大やシステム見直しに積極的にさらに取り組んでいます。
 一方、SS店頭運営が中心の販売業者では、昔からの得意先に対する二次的な「配送サービス」として位置づけで行われているケースも多く、配送サービスの「質」が落ちていることは否めません。特に最近では配送効率の課題や販売数量の減少などによる採算面の課題も発生していることから、「灯油配送」そのものを中止せざるをえないSSが増えていることは嘆かわしいことです。セルフSSでは異業種のホームセンター等と価格を競い合いながら店頭で価格を競って安売り販売されているケースも多いため「中身の薄い」ビジネスとなっています。SS業界では「灯油ビジネス」に関しては大きな意識格差が生まれています。
 問題は、「灯油配送ビジネス」の収益性の高さは理解できてもどこから手をつけたらいいのか・・・・、昔から手掛けている灯油の販売手法がわからないとは変な話ですが、古来「紺屋の白袴」と申します。セルフSS展開に熱心な某スーパーディラーの社長の奥様が自宅の近くに新設した自分の会社に「灯油」の注文をしたところ「配達できません」と断られ、急遽「灯油配送センター」を設置したという笑えない事実も発生しています。改めて灯油配送ビジネスに取り組むためのスタートの「動機づけ」が浮き彫りとなっています。灯油ビジネスを成功させるには「次世代エネルギービジネス」に向けての確固とした認識と方向性を持つ必要があります。そのための基本的な考え方としてはまず、前号で述べたように「灯油」と「配送灯油」では取り扱う商品は同じでも業務に関するオペレーションが全く異なるという事を認識したうえで新規に「高収益ビジネス」を開業するという認識を持つことが成功への道筋となります。


2.「灯油配送販売」スタートへの動機付けと道筋

 実は、灯油配送センター開設などの相談を受けた際、SS経営者の多くは「改めて考えてみると、灯油の配送販売に関する業務オペレーションの動機づけと売り方をどうしたらよいか・・」とおっしゃる方が意外と多いわけですが、「灯油」といえばSS業者にとっては昔から取り扱ってきたビ石油ジネスの原点ともいえる「商品」なのです。当然配達もしてきたわけですから別に違和感はないはずです。さらに仕入価格や販売価格から想定される「収益性」についても充分に理解できている既存の取扱商品のはずです。そこにあらためて外販ビジネスとしての「灯油戦略」の難しさを感じます。
 確実に収益が見込める「油外収益」であることは理解できていて、昔から毎年繰り返されている手慣れた商法であるにもかかわらず、改めて本格展開するとなると、なかなかスタートの動機づけとなる具体策を見いだせないというジレンマを感じている経営者の方が多いのが現実です。しかし別にむずかしいことはありません。今迄のビジネスキャリアと創造性を充分に発揮できる灯油を起点とする「宅配ビジネス」のチャンス到来と考えましょう。元来SSというビジネスは「設備産業」でありお客様の来店を前提にしての「待ちのビジネス」なのですから、SS店頭を飛び出して「宅配」という業務がキーとなる新規ビジネスだと考えればよいわけです。板金やレンタカーなどの全く異なるビジネスでも展開できるわけですから、灯油なら「勝手知ったるビジネス」のはずです。仕入先も確保されており、機材設備も揃っているわけですから、あとはSSフィールドを飛び出して消費者ニーズに対して正面から向かい合うという姿勢に「頭を切り替える」だけでいいのです。そこから新たにSSを起点とする「宅配ビジネスモデルの誕生」の可能性が拡がるわけです。少しプロとしての力を発揮する「意思」が必要です。その際、灯油配送システムは、新たな宅配プロジェクトを成功に導くための「強力なツール」であると位置づけられます。


3.具体的にどこから手をつけるか、まずは「スタートの動機づけ」はCTIによる「受注センター」設置から

 最近は色々なビジネスで「CTI(Computer Telephony Integration)」というIT技術を装備した「受注センター」の設置が盛んなことはご承知の通りです。特に灯油配送ではSSに掛け売りコードを持たない高齢化世帯の現金客やクレジット客などSS店頭に来店しないため顔も知らないお客様からの注文も多いため、顧客管理データベースと受注センターの電話回線を融合したCTIシステムを装備した「受注センター」の開設が有効です。
 以下に、「CTI受注システム」駆使した灯油販売促進の具体的手法をご紹介します。

◎ 「雪ん子」には、すでに「CTI機能」が標準搭載されており、システム構築と同時に「受注センター」の開設が可能です。

◎ 新規顧客の獲得、囲い込み戦略
既存お得意様に対する、「親密な受注対応」が灯油ビジネスの成功を約束します。

 CRM(Customer Relationship Management)カスタマーリレーションシップマネジメントと呼ばれるマーケティング手法は、初めてのお客様とのお取引でも即時、絆を強化することができます。さらにデータから、得意先を選別し優良顧客として固定化することができる為、顧客管理おいて非常に有効と考えられています。顧客との親密度をシステムにより管理しデータとして活用することで、顧客との親密度をさらに深め、よりはやく大切な顧客のニーズを見出し、収益の向上、ひいては顧客満足度(CS)の向上をもたらすことで季節商品である灯油を安定商品として定着化することができます。「雪ん子」の掲げる「CRM」とは、お客様企業にCRMのベストソリューションをもたらすための全てのプロセスをお客様企業と顧客との間に立って実現していくことを意味します。単なるシステムインテグレーションではなく、また単なるCRMのオペレーション代行でもなく、お客様企業がCRMによるサクセスストーリーを実現するためパートナーとして、コンサルティング、インテグレーション、コミュニケーションコントロール、データベースマネジメントの全てのプロセスで、お客様と共にCRMの灯油販売サクセスストーリーを創り上げます。


4.まず必要なことは、SS店頭フィールドから飛び出して、新たなビジネスを「新規開業」するという認識から

 元来、SSというビジネスは「設備産業」です。給油にくる車の来店を待ち受けるという形の「待ちのビジネス」だとも言えるでしょう。おもな「油外収益」オペレーションとしては、「オイル交換」、「タイヤ販売」などや「車検」、「板金」、「中古車販売」、「保険」、などもあるわけですが、それらはほとんどがお客様が来店してから販売アプローチが可能となる店頭販売手法だといえます。車両ナンバー認識による拡販戦略などはその最たるものであるともいえるでしょう。ですから、とにかく来店客を増やすために「ガソリン価格」を他社より安く提示することでまずは来店の動機づけを行い、SS店頭でのアプローチにより「油外販売」で収益を上げるという従来の考え方が定着しています。この考え方については私自身もSS経営の経験上苦労した部分でもあります。ところが、「灯油配送」は根強い消費者ニーズに対応しておこなう「宅配ビジネス」ですから、消費者に対してドアツードアの細かな対応が可能です。お客様から「ご苦労様です」と声をかけていただけるビジネスなのです。SS店頭とは異なり無理なく時間を掛けて説明出来ますからお客さまに迷惑がられることもありません。
 「御用聞き」のような感覚で展開することで、企業特性や地域にあった消費者ニーズの掘り起こしが可能です。すでに「車検販売」などでも灯油配送とからみ合わせてのアプローチが有効なことが確認されており、自然な形で新たなビジネスモデルが発生してくるという優位性も見直されています。さらに顧客管理データベースは次世代エネルギーであるソーラーエネルギー関連ビジネスへの道筋へとつながるはずです。

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